フランクフルト自由市とは
本品は1841年にドイツ・フランクフルト自由市で発行された2ターラー(3 1/2グルデン)銀貨です。裏面にマイン川とフランクフルトの美しい都市景観が精緻に彫刻された「シティビュー・ターラー」として、コレクターに高い人気を誇る一枚です。
フランクフルトは神聖ローマ帝国時代から「帝国自由都市」として特別な地位を持ち、皇帝選挙と戴冠式が行われる重要な都市でした。1815年から1866年まではドイツ連邦内の「自由市」として独立した地位を維持し、独自の通貨を発行する権利を持っていました。
フェラインスミュンツェ(同盟貨幣)とは
表面に刻まれた「VEREINSMUNZE」(フェラインスミュンツェ)の文字は、この貨幣が「同盟貨幣」であることを示しています。これは1838年のミュンヘン貨幣条約に基づき、ドイツ諸邦国が通貨を統一するために制定した規格です。
エッジ(側面)には「CONVENTION VOM + 30 JULY + 1838 +」と刻まれており、1838年7月30日の条約を記念しています。「VII EINE F. MARK」は「7枚で1ファインマルク」を意味し、銀の純度と重量の規格を示しています。
デザインの解説
表面(オブバース)
フランクフルトの都市景観を描いた壮大なシティビューが彫刻されています。マイン川を行く帆船、川沿いに建ち並ぶ歴史的建造物、地平線に輝く太陽が精緻に表現されています。
上部には「FREIE STADT FRANKFURT」(フランクフルト自由市)の銘文が刻まれ、都市の自治権と独立を誇示しています。このデザインは彫刻家クリスチャン・ツォルマン(Christian Zollmann)の作品です。
裏面(リバース)
オーク(樫)の葉のリースに囲まれた額面表示が中央に配置されています。「3 1/2 GULDEN」と「2 THALER」の二重表記は、南ドイツのグルデン圏と北ドイツのターラー圏の両方で通用することを示しています。
上部には「VEREINSMUNZE」(同盟貨幣)、下部には発行年「1841」と「VII EINE F. MARK」が刻まれています。
1841年のフランクフルト
1841年のフランクフルトは、ドイツ連邦議会の所在地として政治的に重要な役割を担うとともに、ヨーロッパ有数の金融・商業の中心地として繁栄していました。ロスチャイルド家がフランクフルトから世界的な金融帝国を築いたことでも知られています。
コインの仕様
| 発行国 | ドイツ フランクフルト自由市 |
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| 額面 | 2 ターラー / 3 1/2 グルデン |
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| 発行年 | 1841年 |
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| 素材 | 銀 (.900) |
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| 重量 | 37.12g |
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| 直径 | 41mm |
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| タイプ | シティビュー |
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| 彫刻師 | クリスチャン・ツォルマン |
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| 参考文献 | KM-326 |
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鑑定情報
本品はPCGS(Professional Coin Grading Service)によりMS61のグレードを取得しています。
MS61は「Mint State(未使用)」グレードであり、流通による摩耗がなく、造幣時の状態を保っていることを示します。180年以上前の大型銀貨として、未使用状態で残存していることは非常に稀です。
認定番号:258523.61/45435804
コレクターズノート
フランクフルトのシティビュー・ターラーは、ドイツ貨幣の中でも特に人気が高いシリーズです。マイン川とフランクフルトの街並みを描いた精緻な彫刻は、19世紀ドイツの造幣技術の粋を集めた芸術作品といえます。
本品はPCGS MS61という未使用グレードで鑑定された貴重な一枚です。ドイツ・コイン・コレクションの中核を担うにふさわしい逸品です。